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『恋は落ちずに、落とすもの?』 レビュー|あらすじ・感想(※後半ネタバレあり)

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目次

はじめに

この記事では、四人の小説家の作品『恋は落ちずに、落とすもの?』について、
・ネタバレなしの魅力紹介
・物語の前半の展開と後半(※ネタバレあり)
・読後の考察
をまとめています。

ネタバレなしの魅力紹介

作品の基本情報

著者:浅倉秋成、織守きょうや、辻堂ゆめ、日部星花の4人が、恋と謎解きをテーマに、それぞれ60ページくらいの短編を書いている。
・出版社:株式会社KADOKAWA
・ジャンル:ラブストーリー&謎解き
・読みやすさ・ボリューム:著者のところでも紹介しましたが、一晩で読めます

どんな読者に刺さるか

・高校生~若い社会人くらいのラブストーリーが好きな人
・ミステリー初心者でも読みやすい

魅力ポイント

キャラの関係性:幼馴染、特殊な家庭環境など
文体の特徴:4人の作家の文体の違いにそれほど違和感はなかった
テーマ性:ありがちな日常から突然謎解きの世界に突入するところ

物語りの前半の展開と後半(ネタバレあり)

1.糸の人を探して 浅倉秋成

  • 女性との接触が極端に少なかった男(河瀬)が、合コンに誘われるという奇跡に遭遇する。
    しかも、自分に気がある女性が、1対1で会うのは恥ずかしいから、合コン形式にして、徐々に仲を深めたいと考えているらしい。友人である三好の彼女が依頼されて、三好が合コンを段取りしたらしい。三好は参加していない。そこまでは良かったが、名前を聞くのを忘れてしまったことから、大変な羨ましい状況に陥ってしまった。なんと集まった女性五人全員が、河瀬のファーストインプレッションがいいと言うのだ。このモテモテの状態から、自分に気があるという女性を特定しなければならない。ここからが、推理ゲーム、それもひとり推理ゲームの幕が切って落とされた。
後半(ネタバレを含む。未読の方は注意ください。)

河瀬は、女性らとの話や、合コンを設定した三好にスマホで連絡したりしながら、自分に気がある女性を特定しようとした。そして、その子以外と全員がカップルになった。一人の女性だけが寂しく帰るところだった。だが、河瀬は自分とカップリングした女性の正体を喝破した。急いで最後の女性(史帆さん)を追いかけた。その女性とて気を抜けば今すぐにでも求婚しそうな美人なのである。そしてようやく河瀬は史帆さんを食事に誘うことに成功。ただし、そのうしろにはヤクザの息子である兄が鬼の形相で立っていたのである。いつもこうなんです。30分だけ耐えてください、と謝る史帆さん。河瀬は、耐え忍ぶ価値はあると歯を食いしばった。

2.ダイヤモンド・ダストの約束 日部星花

  • 恋愛リアリティーショーが始まる。かつては子役同士だったアイリとユウト。だが、いまではユウトは売れっ子で、アイリは売れていなかった。そんなアイリに恋愛リアリティーショーのオファーが来た。アイリは、どうせお邪魔虫的な役だろうから断ろうと思っていたが、かつでライバルと目していたユウトも出演すると聞いて、オファーを受けることにした。だが、ただの恋愛リアリティーショーではなかった。それぞれが本心とは別のミッションが与えられているのである。例えば、A君に告白してはいけないとか、BさんとC君がカップルになりそうなら邪魔をするとか。すなわち、本心が見えないのである。この設定は、かなり面白い。恋愛番組は、まず見ない読者の私も、悪ふざけは大好きなので、男女5人の恋の行方がどうなるのか、いや日部星花さんがどう展開させるのか、興味津々である。
後半(ネタバレを含む。未読の方は注意ください。)

ユウトはアイリが、役者として追い付いてくるのをずっと待っていた。
ユウトはショーの最後に勇気を出して、アイリに確認する。「待ってると言っただろ」子役のとき。
この企画は、恋愛リアリティーショーではなく。両片思いを両想いにするバラエティーショーだったのだ。
見事に誘導された二人が、お互いの気持ちを確かめ合ったところで、「告白大成功!」のプラカードが登場した。

3.彼と彼女の穴 織守きょうや

  • 駅のホーム。高校生男子の有馬慎慈は、どこかで見たような気がする女子高生の三木夏輝を見つめる。何みてるんですか。ではなくて、「私のこと覚えてる?」なんて声を掛けられたら・・・。というので始まる。小説やなあ。まあいい。さて、結局とんとん拍子に付き合うことに。
    付き合うようになって、はじめて彼女が約束の時間に遅れる。調べると彼女が乗ってそうな電車が人身事故で止まっている!連絡しても出ないので心配になる。が、2時間後、彼女は無事到着した。
    出会いの時の「どこかで会った?」という台詞も夏輝は覚えていないという。
    そして二人は大学生になった。彼女がアルバイトしている喫茶店に通っていたら、夏輝の母親と遭遇し、彼女の家に泊まりに行くことになる。そして有馬は思い出した。この近くの山の中で、穴を掘る少女を見たことを。目的は乱暴を働くようになった母の再婚相手を殺して埋めるためだった。
後半(ネタバレを含む。未読の方は注意ください。)

慎慈は、この親子二人を守る気満々なのである。
父は失踪していて、殺されてはいない。万一、帰ってきたとき、慎慈はこの穴を利用する決心をしたのである。

4.運命はかく扉を叩く 辻堂ゆめ

  • 高校生の女子二人(入江愛と宇野沢茉莉)が、校舎から離れた体育倉庫に閉じ込められた。結果的に、だけど。主人公は宇野沢茉莉。倉庫の扉に鍵を刺したままで、奥で作業をしていた二人は、野球部の男子らが、鍵を確認して自分らが最後だと思い込んで、ちゃんと鍵をして立ち去ったのだ。えっ!待って! 通常は中扉の鍵をひねれば出られるのだが、その中鍵は、ずっと前から壊れて無くなっているのである。最近あったサウナ閉じ込め事件と同じような気がする。このような安全対策を怠った学校側の責任は大きい。
    事態は急変する。ドアをコンコンと叩く音。男子生徒だ。鍵を取ってきて開けてくれたが、外に出ると、彼の姿はもうなかった。
    翌日、面接マナー教室が開かれた。外部講師は年齢のいった女性で、令和の高校生から見ると、その指導内容は時代遅れだった。この話題は何かのフリなのかな。
    さて、驚いたことに、愛が恩人探しをしている様子。聞けば、愛は学校では彼女にしたいNo.1なのに、自分から好きになる人が現れるまで交際はしないといって、数ある告白を断ってきたが、その子に恋をしたらしい。
    愛は、嘘のインタビューで、オレンジ組の三学年にまたがる生徒たちの声を聞いて、候補を三人までに絞り込んだ。ここからは自分では聞けないと言って、その役を茉莉に依頼したのだ。しかたなく愛のために、茉莉は三人に直接聞いた。なんと三人とも自分です、と言う。茉莉は「人魚姫」のストーリーを思い出して、みんな隣国の女王になろうとしているのか!と思った。
    そして、愛は三人を体育倉庫前に呼び出す。愛の彼氏になりたい三人?は、しっかり集合する。そして、当日の再現演技が始まった。
    驚くべきは、ここで、あの面接マナー教室の内容が関連してくることになったことに、我ながら少々驚く。やはり謎解きのフリだったのだ。
後半(ネタバレを含む。未読の方は注意ください。)

愛は、その聡明な頭脳で、再現演技でのノックの回数と面接マナー教室で教えられたノックの回数からヒーローの駿を導き出した。そして、幼馴染の二人(茉莉と駿)が6年間も話せていないことと、駿が愛を追いかけて、この高校を受験したこと、愛が久しぶりに駿と話せて密かに喜んでいること、を察して、自分の恋人のような茉莉を、自分がはじめて恋をした駿に譲ることにしたのである。涙々。

読後の考察

四編とも、恋が成就する感じのストーリーだと知っていたら、謎解きの展開は分かり切っていて、むしろ謎解きよりもラブストーリーに集中できたと思う。
それでも、私のようにラブストーリーなんて、と思っている人でも、謎解きの要素はとても面白かったと思うし、涙腺が弱くなったこの歳で感動はする。一晩で読めるので、時間のない方も楽しめると思います。
ネタバレ部分も含めて、あなたの読書体験の参考になれば嬉しいです。

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