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運転者 ~未来を変える過去からの使者~ 喜多川 泰  なぜ過去からの使者なのか!? 未来ではないのか? 報われることのない努力にあなたは感動する! なぜなら、その努力はいつか報われるから

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運転者 ~未来を変える過去からの使者~

まえがき

なぜ過去からの使者なのか!? 未来ではないのか? 報われることのない努力にあなたは感動する! なぜなら、その努力はいつか報われるから
報われない努力なんてない!
この本の備忘録として、あらすじと感想を残します。

Kindleで読んだ本の感想は、初めて書きますが、読む速度は紙の本より早いかも知れません。

喜多川 康さんのプロフィール(Wikipediaより)
1970年 東京都生まれ、愛媛県西条市育ち。きたがわ やすし。
愛媛県立西条高等学校、東京学芸大学卒業。

著者の作品(Amazon商品説明より)
2005年『賢者の書』(小社)にてデビュー。『君と会えたから……』『手紙屋』『株式会社タイムカプセル社』『運転者』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)など、続々とベストセラーを発表する。2013 年には『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(サンマーク出版)が映画化され、全国一斉ロードショー。他にも『書斎の鍵』(現代書林)、『ソバニイルヨ』(幻冬舎)など、意欲的に作品を発表。その活躍は国内にとどまらず、中国、韓国、台湾、ベトナムでも人気を博す。

あらすじ

【プロローグ】

タクシーに乗っていた修一は、ラジオから聞こえた「TAXI」という曲の製作秘話から十年ほど前の出来事を思い出していた。(この若いアーティストがまさか修一の娘だとは運転手も気づくまい。)次の章からは、このときから十年ほど前の物語が始まる。

【デッドライン】

岡田修一は、生命保険の営業に転職して一年が経過していた。二年目からは完全歩合制だ。もともと中古車販売の営業で、そこで得た顧客に保険を売り込むというわけだ。先輩に誘われて転職したが、きついノルマとワンマンな所長のせいで、その先輩が先に辞めてしまった。上司の社長は、脇屋という。

ある日、岡田が契約した大口の顧客から解約を告げられ、社長の機嫌は悪い。
なんと、解約分の過去十カ月分の保険料が、来月分の給与から引かれるという。
社長に怒鳴られ、大口の顧客のところへ行くが、再契約などしてもらえるはずもなく、そんなとき妻の優子から電話が掛かる。娘の優果のことで学校で話を聞く約束の時間らしい。なにやってるんだこの男は。。。

妻は夫が多額の借金を抱えたことも知らずに、パリ旅行の代金の振込について話してくる。イライラしながらタクシーを探していると、今度は母の良子は「夏休みは帰省できるのか」と電話で聞いてくる。パリ旅行とかぶってるし、(実際は行けなくなったが)。修一は忙しいと返すのだが。。。父は半年前に他界しており、いろいろと伝えておきたいことがあるらしい。

もともと修一の実家は、岡田文具店で、ファンシーショップOkadaとして文具以外のキャラクターグッズを扱う店に変わっていた。修一が就職してから「気づいたら」商店街から活気が消えていた。老いた母、実家をどうするかが問題なのはわかっているが、修一は自分の人生だけで精一杯だった。娘のこと、夫婦のことも。。。

「なんで俺ばっかり・・・」 そのとき、目の前に近づいてきたタクシーに手を上げていた。
さて、どこへ行こうか、と思っていると、タクシーの運転手が言った。「まずは、娘さんの学校ですね。」「あ、そうそう」「えっ・・・」

【運転手】

助手席の前にある運転手の名前は「御任瀬卓志」 おまかせタクシ!?
行先や名前まで言い当てる運転手に、岡田は詰め寄るが運転手は、「わたしは、あなたの運転手です」と言う。そして「運を転ずるのが仕事です。」と言い、娘の学校まで岡田を運んだあと、彼は代金も受け取らずに走り去った。

娘は中学二年から不登校になっていた。面談は簡単なもので、形式的なものだったので岡田は腹が立った。早く契約を取って、大口解約の穴を埋めなければならないのだが、そのことを妻に言うのを先送りした。

【ポイントカード】

修一は、失くした契約を挽回しようとするが、上司の脇屋は素知らぬふりだ。
しかたなく外に出た修一の前に、あのタクシーが止まる。「あなたが行くべき場所にお連れしますよ」 
運転手が言う「あれ・・・もしかして・・・ 昨日、僕と出会って運が変わったって実感してないんですか?」
「運を変えるのが僕の仕事です。」そして、運転手は、修一の状況をピタリと言い当ててしまった。
でも、「機嫌が悪いと、運が逃げる・・・」

「どんな仕事をしている人でも、不機嫌な人が成功したことなんてないですよ。」
「いいですか、何もしてないのにいいことが起こったりしないんです。ポイント貯めてないのに何かもらえますか?運となると、貯めてない人ほど期待するんですよ。」
そういわれて、降ろされて入ったカフェで、愛想を振りまいたが保険の契約などできずに、修一は結局イライラするのだった。

【幸せの種】

修一はカフェを出て、最寄りの駅へ行った。そこは事務所まで90分も掛かるところと分かり、またイラついた。運を好転させる人が、運転手。
修一は、運転手と話すうちに、なんだか彼が言っていることが正しいように思えてきた。そして、今度は夜の繁華街で降ろされた。
運転手は言った「忘れないでくださいよ。損得じゃなく『興味を持つ』ことです。」

【TAXI】

修一が見上げた雑居ビルの一階には「TAXI」と書いてあった。そこは、落ち着いたバーで、一人の若者が飲んでいた。
私はここで、あの「笑うセールスマン」を思い出した。よく似ているな。

彼の名は藤上新、自称ミュージシャン。スターになりたいとは思っていない。稼ぎがあったらここで飲むだけで幸せだという。修一はその生き方に驚く。

『明日の収入も決まってないというのは・・・「大変です。」でもその大変さを望んで、この生活をしているんです。だから怖さはないです。』と彼は言う。
頭では分かるような気もするが、実体験してみないと分からないと思うし、その勇気もない。
修一は自分の状況を整理するために、道後温泉に行った。ふらっと入った楽器店で10万円もするギターを買ってしまった。家に着いて、修一はやはり契約解除と返金のことを言うことができなかった。

【すべての努力は報われるか】

『その考え方だと、会社にいいように使われて、一生損して生きることになるぞ』
『そんなことはありませんよ。そういう人は運が貯まり続けていますから、いつかは・・・・・・そういう人たちも、ほとんどが<上機嫌>でさえいれば、それまで貯めた運を一気に使うチャンスがあったはずなんです。・・・ほとんどの人が<上機嫌>とは無縁の生き方を選択している・・・』とタクシーの運転手は言う。

そして、修一は、どうしてあなたのところに私が現れたのか、分かりますか?と聞かれ
て、うっかり「運よく」と答えようとしてとりやめ、素直に「どうして?」と聞いていた。

【蕎麦の味】

時代は急に遡る修一が大学生だったころの、夫婦の会話だ。父の政史と母の民子。
『来月から、仕送りを少なくさせてもらいましょうよ』『修一には話さなくていい』

実家の文具店の売上が落ちていた。バブルの崩壊により、銀行の貸し渋りは相当なものだ。
ある日、山登りに出かけた政史の前に、例のタクシーが止まった。(親子でお世話になってるぞ!)

運転手は、蕎麦屋の前で止まる。食べたくないという政史だが、運転手は蕎麦を食べろと譲らない。理由を聞くと『それは、今日があなたのお父さんである良蔵さんの命日だからです』と言う。

運転手から詳細を聞いた政史は、続きを聞くために蕎麦屋に入った。そして、親父が死ぬ前に食べたかったであろう蕎麦をゆっくりと食べた。
店から出てきた政史は、憑き物がとれたような爽やかな笑顔であった。


『自分は運が良かったわけじゃなくて、自分じゃない人間が <使わずに貯めていた運> を使わせてもらっただけじゃないか』
タクシーは金物屋の前で止まった。政史は残った71,450円分のポイントは、いつか次の世代のために使ってくれと言ってタクシーを降りた。

【実際あるけど、絶対ない】

「すべての努力は報われないことがあるのではないか」の答えがこのタイトルだ。修一の祖父である良蔵さんのように、誰かのために命を使う生き方をして、上機嫌に生きてきたけれど、自らの運を良くするような転機が訪れないままその命を終えた人はいます。

これが「(すべての努力は報われないことは)実際ある」で、そうやって貯めて運があったからこそ次の世代はたくさんの幸運を手にできた。これが「(すべての努力は報われないことは)絶対ない」ということだ。少し難しく、宗教っぽい気もするな。

『実際、世の中は誰かが頑張る姿からもらったエネルギーの集合体なんですよ。結果からもらったエネルギーの集合体じゃない。・・・そのエネルギーがあるから、社会を動かしているんです。』
『今すぐ、自分だけって考えすぎなんですよ』

修一は、それまでの人生を振り返った。「お前たちはいい時代に生まれたぞ」と言われた。それを言う大人は戦争を体験していたから。時代が平成に変わると、そうは言われなくなった。不景気がずっと続く中で生まれた子たちには、「今の子どもたちはかわいそうだ」と言われるまでに変わってしまった。

修一は、自分の世代で求めすぎた生き方をしてはいけないということだな。と運転手に言ったが、意外にも同意されなかった。代わりに聞かされた言葉は、「プラス思考!」であった。

自分が使ってきた運よりも次の時代のために貯めていく運の使い方をするような生き方をすることこそが真のプラス思考ですという新しい価値観に、修一は鳥肌が立った。

修一は、タクシーのメーターが減っていることに気づいた。自分は先人が貯めてくれた運を使ってしまっている。そして、今までいろいろな気づきをもらえた修一は、このタクシーを利用するのは、これを最後にしようと決めたのである。

【最後のレッスン】

このタイトルと今までの物語から、私は「ユダヤ人大富豪の教え」という本を思い出していた。
修一は、これが最後だと思って、運転手に聞いた。なんの取り柄もない自分に、延々と続く物語の一部として何か役割があるのか」

運転手は答える。「まず誰かと比べるのをやめるといいですよ。自分の人生に集中して。自分の人生をしっかりと見つめて、自分がどれだけ恵まれているかということに心から気付けること、そこから始まります。」

タクシーが止まったのは、実家の前だった。運転手に別れを告げたあと、彼は母のいる実家のインターホンを押した。

【第二の人生】

タクシーの運転手から聞いた蕎麦屋の話を母からも聞いた修一は驚く。

親父は修一が実家に帰ってきて何かやりたいと言ったときのために、蕎麦修行を続けていたというのだ。
修一は絶句した。修一は父の蕎麦打ちの道具を貰って帰ることにした。

そして自宅へ帰る新幹線で、席を譲ったことからグリーン車の席に座ることになり、隣の経営者の男と話すと、修一の保険に入りたいと言うのだが、修一は自分は蕎麦職人になるため退職するからと、別の営業社員を紹介するのだった。

【新しいスタート】

修一が事務所に着くと、社長は怒った様子もない。
そして、家に帰ってから、妻にすべてを話したが、怒られることもなく、受け入れてくれた。

修一は、いつかは蕎麦屋になるという人生の目標が出来て、微笑んだ。
給料日に出社した修一は社長に辞意を告げるが、修一が新幹線で話した経営者から講演の依頼を頂いたから、修一に対応してほしいといわれる。辞表はそれからだと。

そして、それから15年が経過した。えっ? 蕎麦職人にはなっていないのか。(プロローグに戻る感じでしょうか。)

【エピローグ】

「デッドライン」で描かれた修一と妻の優子の会話で始まる。娘の夢果のことで学校に呼び出されていた件である。ここでは、妻優子の目線で語られている。

そして、妻は学校へ行くためにタクシーに乗る。そして運転手は、ある奥さんの話と言って、将来起こるであろう岡田家のエピソードを話すのである。

あれ!過去からの使者が、未来のことを語っているのは何故だ!
妻の優子は、それが自分の家族に起こることとは知る由もなく聞いて、タクシーを降りて中学校の正門を中に入ったのであった。

作品の感想

あらすじの中に、感想や突っ込みは入れました。全体的には、ファンタジックな物語であったように感じました。
あらすじでは触れませんでしたが、社長とも過去で繋がっているようです。
いろんな人が貯めた運を使い、また自分も人のために運を貯めるという、相互扶助的な話も含まれています。保険会社の説明あたりもそうでしょうか。

また、今の我々が、いかに恵まれた環境で人生を送っているかということを深く再認識させられる内容でした。
最後のレッスンは、あらすじ中にも書きましたが、まるで運転手は「ユダヤ人大富豪の教え」に出てくるメンターのようだと感じました。ある種の自己啓発本といえるのかも知れません。

修一が、母から聞いた話で、父が蕎麦職人であり続けようとしたほんとうの理由には、息子への深い愛情が感じられ、目頭が熱くなります。
いろいろなことに感謝し、プラス思考でいつも機嫌よく生きて行くことで運が開ける(大切である)ということを教えられます。

主な登場人物紹介
修一(フィナンシャルプランナー)、妻の優子、娘の夢果、母の民子、父の政史(他界)、脇屋社長(修一が勤める生命保険会社の社長)、山本さん(新幹線で隣になった名古屋の飲食店 八店舗の経営者)

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