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この記事の目次

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一(韓国語翻訳者)韓国をどう扱うか? 将来世代が苦しむことのないよう、知恵を集め、果敢に行動すべき時だ。いやむしろ、日本に迫る危機を感じ取り、果敢に行動すべき時だ! 2021年4月 発行

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中国に吞み込まれていく韓国 山本光一
目次

背景  習近平 の 同化政策

2012年11月、中国共産党総書記に、習近平が就任してから、2022年11月で10年が経過した。
漢族による多民族の同化政策。新疆ウイグル自治区やチベット自治区に対する抹殺や統制。
人権蹂躙も甚だしい。内モンゴル自治区でも2020年9月から標準中国語教育を強いて、モンゴル語を外国語扱いしている。暴挙だ。ほかにも少数民族はあり、同じような状況である。
そして、香港、台湾、尖閣諸島、東シナ海、もはや悪の国家である。

対して、アメリカは、Quad(日米豪印安全保障対話)構想で対抗する。
西欧諸国のイギリス、フランス、ドイツもインド太平洋の艦隊派遣を実施または表明した。

だが、東アジア諸国(韓国さえも)は、Quadプラスには、中国との関係から及び腰である。
日本人としては、韓国と中国の抜き差しならぬ関係を知り、韓国の難しい立場を理解するのが本書の目的であろう。

下記は、各章のそれぞれに5~6あるサブタイトルから、1、2つの内容から抽出したものである。
すべてを知るには、全部読むことをお勧めする
が、割と読み易いと思う。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

序章 米中対決の狭間で

中国に依存しきった経済(第2項/全3項)

 中国に住む朝鮮族は、朝鮮戦争後1978年12月に里帰りする。これにより韓国と中国は国交を樹立。
 そして韓国は、中国の経済成長の波にのり経済的繁栄を謳歌した。韓国にとって、貿易黒字1位は中国なのである。そして建国時の反共の精神が揺らいでいるのである。日本人は韓国が共産寄りの国家であることを認識すべきである。
(感想)
 韓国人自身はといえば、反共の精神を揺るがせている「朝鮮族」の流入の危険性に、ようやく気付き始めたということらしい。中国はゆっくりと、しかし確実に韓国への侵略を進めているのである。日本も国土が購買されているようであるが、このようなことが続かないよう対策を急いでほしい。

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第1章 チャイナゲート

世論操作(第3項/全3項)

誰も知らないことだが、朝鮮族は韓国にいて、その世論操作を行っていると、ある朝鮮族がネットで告白した。テレグラムやツイッターでそれを行っているらしい。
ムンジエイン(文在寅)は、大統領選で朝鮮族のコメント部隊と中国政府の介入によって当選できたという。中国は米国に対抗するためには、韓国を属国にする必要があると考えており、ムンジエインはそれに乗ったといえる。中国のスパイだったワンリーチアン(王立強)は、台湾の選挙への関与も認めているらしい。
(感想)
朝鮮族のことは知らなかった。彼らが世論操作を行っていることを知るに至っては、驚きである。日本も対抗すべきではないか、と思う。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

第2章 韓国で暮らす朝鮮族

朝鮮族は韓国人なのか中国人なのか(第8項/全8項)

 中国に移住した朝鮮族は、自治区、自治州の中で暮らしているが、徐々に韓国語も話せなくなり、中化が進む。それがこの章のタイトルの意味だ。
 そして、逆に中国から韓国へ出稼ぎや里帰りにより流入し、韓国内に朝鮮族が増える要因となった。
 また、韓国で身につけたスキルで、中国で起業するということも起こる。
 韓国人が中国語を学んで翻訳や通訳の仕事をしようとしても、中国人の朝鮮族に仕事を奪われて、仕事の単価が安くなって不満がたまっている。
 朝鮮族からの目線では、韓国より北朝鮮が好きらしい。但し、北朝鮮の目線はどうかは分からないのだ。
(感想)
 ここまで来ると、本当に朝鮮族は、何人なのか分かりにくくなっていることは理解できる。
 国境などあって無いような感じさえしてくる。日本はほんとうに平和ボケしている。
 話は変わるが、韓国の大統領府の青瓦台(チヨンワデ)が、国民の声を聞く「国民請願」という窓口をもっていることは驚きである。日本にもあるのだろうか。きっと私が知らないだけであろう。
 そして、そこには、朝鮮族に対する労働施策などへの注文が寄せられているのである。
 その他、朝鮮人女性が主に賃金も低い看護人として働いていることや韓国人より一段低く見られていることなどは、両者は、同胞ではなく外国人なのだということが分かる。

第3章 朝鮮族のイメージと映画で描かれた姿

暴力的で恐ろしいイメージ(第4項/全4項)

朝鮮族の犯罪者は、斧を持ち歩き、とても恐ろしいと思われているようです。
韓国の映画でも、犯罪者は朝鮮族と決まっているようです。
(感想)
韓国では、このように奴隷のような朝鮮族と普通の韓国人の二種類の人種がいるということは、勉強になった。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

第4章 同胞社会のたくましい女性指導者、朴玉善(パクオクソン)

「人種差別禁止法」制定を目指す(第2項/全4項)

朴玉善は、朝鮮族が差別的に描かれた韓国映画の製作会社に対して、事実とは異なると訴訟を起こし、さらには「人種差別禁止法」なる中国同胞を擁護する法律の制定を目指している。
朝鮮族を「同胞」と言うな!(第4項/全4項)
(感想)
韓国人の朝鮮族に対する意識がよくわかる内容である。韓国で生きようとする朝鮮族の人たちの苦労が分かるが、何か事件が起こると、貧しい朝鮮族が関わっており、さらに嫌悪感が増すという悪循環になっているようだ。韓国政府は国としてこの問題をどう考えているのか。

第5章 「外交参事」を引き起こした韓中の厳しい現実

韓国は中国の一部なのか?(第6項/全6項)

2017年4月に行われた米中首脳会談で、習近平はトランプに「この数千年、朝鮮半島全体は事実上、中国の一部だった。」と述べたことが、トランプ自身の口からマスコミに流れた。
中国も、トランプも、そのように理解していると考えるべきである。
(感想)
すでに、中国の本音が漏れ聞こえていたことになる。やはりそのような不遜な考えを持っていることが明らかになったが、トランプもそう思っているというのは、本当に不遜である。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

第6章 最前線であばれまわる中国人留学生たち

韓国に留学する真の目的(第6項/全6項)

韓国に留学する中国人は、全留学生10万人の7万人、そしてその75%が中国共産党関係者である。
そして、中国に反旗を翻す韓国内のイベントなどで妨害騒ぎなど起こす役割を担っているのである。
香港を指示する学生らの個人情報をばら撒き、殺すなどと恐喝もしているとのことである。若い韓国人が中国共産党の本質をよく理解しないまま、そちらになびいているところが心配だという意見を持っている、中国からの留学生もいるらしい。
また、中国の情報機関が、朴槿恵元大統領を罷免する集会に在韓中国人留学生6万人超を動員したと、東亜日報が報じている。
これだけ多くの中国人留学生は、韓国で何を学ぶのであろうか?
著者の見解は、韓国で中国共産党に協力し、認められたいというのが真の目的であり、そのために妨害行動やビラ配りなどをしているのだという。
(感想)
朝鮮族の問題に加え、中国人留学生の問題も抱え込んでいるとは、韓国も前途多難である。
まさに本書のタイトルどおり、中国に呑み込まれているようだ。情報操作もされているはずで、このような環境で韓国人が日本人とうまく行かないように画策されているのは明らかではないかと思う。
そんな操作はやめてほしいが、日本は手をこまねいて何もしていないのだろうか。

第7章 海明駐韓中国大使は「現代の袁世凱」か?

よみがえる監国大臣、袁世凱の記憶(第3項/全6項)

邢海明駐韓中国大使は、傍若無人な振る舞いから、朝鮮の自主的な近代化を阻んだ清国の初代中華民国大統領の袁世凱のようだと評価されている。
また、邢海明駐韓中国大使には何一つ物言えぬ青瓦台であるが、駐韓米大使には言いたい放題とのこと。この様子を感じ取ったのか、韓国の大学生が、米軍支援金の引き上げに反対し、米国大使公邸に乱入までしている。
(感想)
これほど、韓国が中国の顔色を窺っていたことは驚きで勉強不足を感じた。
韓国が米中で板挟みになっているとの認識に対しても、中国は米中が韓国に対して要求していることは、中国が韓国に対して要求していることと何ら矛盾しないと言うなど、これこそ言いたい放題というべきだろう。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

第8章 渦巻く愛憎、朝鮮族と脱北者

一般の韓国人の理解を超えた朝鮮族の怒り(第5項/全5項)

1950年の朝鮮戦争では、北朝鮮が南進し、ソウルが陥落したが、米軍の仁川上陸作戦でソウルを奪還したという歴史を聞くと、本件には関係ないが、ウクライナも米軍が動けば、ロシアを簡単に押し返せたのではないかと思うが、米軍が駐在していたわけではないから同じ状況とは言えないのだろう。
さて、脱北した女性たちは、中国の朝鮮族を頼って、隣国のラオス、タイを経由して韓国に入国するそうである。
(感想)
脱北者の女性は、朝鮮族の助けを受けて、韓国入りしたひとが居る一方で、人身売買された経験を半数が持つということが書かれている。どの国にも良い人がほとんどだが、一握りの悪い人は存在するのは残念である。運悪くそのような人たちに遭遇する覚悟で行動しなければならない人たちの理不尽な運命に心が痛む。

第9章 文在寅、中国の「協力」を得て総選挙で圧勝

統計的にありえない数字(第4項/全5項)

韓国大統領選挙の開票スタッフに大量の中国人が動員されているという。
(感想)
ここまで来ると、もう韓国は中国の操り人形かという感想しか出て来ない。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一
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第10章 左派長期独裁体制へ、新たな特権階級の誕生

自分たちは龍、庶民は小川のフナ、カエル、ザリガニ(第5項/全7項)

韓国の法務大臣は、身内を優遇する不正を働き、邪魔なものたちは左遷するなど、権力の乱用が目立つ。それでいて「検察改革」を訴えているという。
近年、中国の影響が強まったこともあるが、民族性、民度を見ると、もともと自由民主主義はなじまなかったのだろうと著者は言っている。
(感想)
上記の法務大臣のように、権力の乱用に対しての怒りは、悪への怒りではなく、不平等に対しての怒りであるなら、著者が言うように、民族性としては民主主義よりも共産主義の方が馴染んでいるということになるのかも知れない。もしそうだとすれば、韓国はもはや、いやむしろもともと中国っぽいのだ、ということになる。このような、自覚の無い共産資質が韓国の真の民主化を妨げているのだとしたら、日本や米国はどうしても韓国を民主国家の仲間とすることは難しいのではないかと思えてきた。

終章 結局、韓国は米中のどちらにつくのか?

在韓米軍が韓国から去ってもいいのか?(第3項/全9項)
国境を越えて米大統領に直訴する韓国保守派(第5項/全9項)

「中国は怖いが米国には逆らえない」という韓国の立場。

だが、米国は韓国に「中国に対する態度を明確にせよ」と決断を迫る。
米中対決が激化すればするほど、韓国の外交的選択が難しくなる。

はたして「絶妙の方法」は見つかるのか?
ソウル新聞の社説のとおり。
「米中新冷戦の中で、韓国の外交は、戦略的曖昧さの中でも国益を優先する明確な外交原則と戦略を掲げて対応する必要が切実になった。習主席の訪韓では韓国の課題を中国にはっきり提示し、韓国が中国に譲歩できない対米関係の基準も明確にしたうえで、国益を極大化できる案を講じなければならない。
ただ、中国の思いは、朝鮮半島を再び手に入れ、在韓米軍を追い出してこそ、安心して中国の軍事力は太平洋に進むことができる、というもの。
中国が朝鮮半島を再び手に入れれば、その後千年以上支配するだろう。
これを踏まえて、ソウル新聞は、こう続ける。
私たちが20世紀後半から21世紀初めに享受した自由と豊かの時代は終わり、私たちの子どもの世代は中国の属国体制で二等国民として中国人に頭を下げながら生きて行かねばならない。
(感想)
やはり、在韓米軍は重要である。にしても、平澤基地は品川区より広く、基地と言うより18.5キロの鉄条網で囲まれた新都市で、住所はなんとカリフォルニア州である。もはや小さな米国である。
米国も中国も一歩も引かない。
バイデン大統領が中国との電話会談で香港や新疆ウイグルでの人権問題への懸念を示したのに対し、中国は内政問題に介入してはならないとはねつけてから1か月後、米国が「21世紀における民主主義と専制主義の戦い」との姿勢を鮮明にしたことは、日本としてはさもありなんといった気持ちであろう。
だが、著者が最後の数行で述べたことは、日本人として忘れてはならない。
敵意、憎悪、復讐心。中国で渦巻く負の感情は、とりわけ、私たち日本に注がれている。この事実を忘れてはならず、軽視してもならない。
「中国に呑み込まれていく韓国」を語りながらも、同時に、いやむしろ、日本に迫る危機を啓蒙している。
中国人自身は、わずかな特権階級による専制政治をこのまま許し続けるのか。天安門事件を忘れたのか。という課題に対峙するヒーローが現れるのを待つしかないのだろうか。

中国に吞み込まれていく韓国 山本光一

山本光一さんのプロフィール

1958年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1989年から96年までソウルで暮らし、延世大学延世語学院などで日本語を教えながら、韓国の言葉、文化、社会事情を学ぶ。帰国後、韓国語の翻訳者として各テレビ局の韓国・北朝鮮報道で翻訳や取材、リサーチに携わる。(本書の紹介文より)


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