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女ともだち 村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、島津輝、森絵都の女流作家8人が描く「女ともだち」は、かなりコワい!

目次

内容紹介

COPY 村山由佳

憧れの女性先輩に肩入れする女性後輩は、まあいるだろう。サークルの男友達の玲は、その憧れられている女性の志緒里に近づくことさえできないくらい後輩女性の井原佐智子に防御されるようになった。

限度を超えた井原佐智子の振る舞いに、志緒里と玲が距離を取り始めたとき、恐ろしい井原佐智子の反撃が始まった。

と思ったのだが・・・

一人ぼっちになった志緒里を手に入れたのは意外な人物だった。

ト・モ・ダ・チ 坂井希久子

高垣早苗、カット野菜の加工、販売の仕事で、社会人三か月目。おばさんたちは、早苗にとってどうでもいい噂話で盛り上がっている。

早苗は感情は出さないようにして、にこにこしていればいいと思っている。傷つけず傷つけられずに生きて行く。

親友のカナコ、高校時代のこと。早苗とカナコは、流行りネタの話ばかりする子らとは合わず、二人で仲良くしていた。ふたりは同じ大学に進学したが、就職してバラバラになり、忙しくなったカナコとは、ほとんど連絡が取れなくなった。

清宮涼子という、早苗より二つ年上の派遣社員がいたが、付き合いが悪いので、おばさんたちの評判は悪かった。先日、偶然訳あり子持ちだと知った早苗は、友達になってあげたいと思った。

また、あるとき会社で、偶然小中学の野村ユカリに会うが、彼女には裏切られたという因縁があった。

このあと、親友だと思ってるカナコ、友達になってあげたいと思う清宮涼子、中学時代に裏切られたと思っている野村ユカリの三人と早苗の歪んだ関係が明らかになってゆく。

卵の殻 千早茜

最初、わたしたちは四人だった。

わたし遼子、環、麻美、恵奈は、中等部

遼子の母は、友達みたいな親子になろうねというが、わたしはママの所有物じゃない!

大学、卒業、就職、四人はばらばらになった。今はSNSでつながっている。

遼子には彼がいて、カレーが好きで、同い年で、和歌山の母の実家から段ボールでいろいろ届く。

彼が来ているのに、SNSで恵奈とやりとりを続ける遼子。

二カ月前、遼子は、恵奈が付き合っている相手を観察して思った。既婚でシロクマのようで気持ち悪い、恵奈は、この男でいいのか。

さて、ここはフランス料理店。たまき、恵奈、遼子の三人だ。

卵の殻が立ったまま出てきた。「アミューズのウフブルイエでございます」

殻の天辺が切り取られていて、ウニが乗っている。

食事会が終わって店を出た。遼子は帰り、環は習い事へ。

恵奈はなんか変だった。今日はホワイトデー。

恵奈は不倫している彼の家へ行き、チャイムを押して逃げたのだった。

そして、恵奈は、眠りについた遼子の自宅にきた。彼女はもう壊れかけていた。

遼子が親友のために大胆な行動に出た。

はたしてその結末はいかに・・・。

水底の星 大崎梢

目黒明日香、出版社営業三年目。そして異動の辞令にめまいがした。

話は、小学五年生までさかのぼる。

ふたりの友だち。高瀬朋美、梶本裕。

性格が異なるふたりと空想ごっこ遊びをした。

夏休みはプールだ。裕はスイミングスクールに通っていて、あまり浮き輪は使わない。

明日香の母は、娘をスイミングスクールに入れたがり、明日香は裕が通うこともあり、朋美と同時に入った。朋美はどんどん上位クラスへ。明日香は伸びなくて母親がイライラ。こんどは、娘に中学受験を勧めた。

相変わらず、朋美と仲のいい明日香であったが、朋美への苦情を受けるようになった。 とくにライバルの鈴花への態度は悪いという苦情だ。

五年生になり、明日香は親友の敵、鈴花と同じクラスになった。話してみると鈴花はとてもいい子だった。朋美の態度については、なぜあんな態度を取るのか鈴花には解せないと言う。

一方、男の裕は、水泳に身が入らず、家を追い出されて途方に暮れていた。

そんな裕と会った明日香はふたりで話したが、それを見ていたもうひとりがいた。

そして、関東ブロック大会。朋美と鈴花は四年生女子自由形200。

結果は、なんと朋美の勝ち!

そのあとだった。事件は起きた。

全身怪我をした朋美は、明日の本命の背泳ぎに出られそうもない。

翌日、裕くんがいなくなったという。

いったい何があったのか。

そして10年が流れた。

話は、最初に戻る。明日香の異動の話。

明日香はこの異動を受けるのか。

こっちを向いて。 額賀澪

志保は、友人の百合のフェイスブックを見る。

志保と駒木さんと春田くんとは、どうやら、サービスエリアで食事をするらしい。

志保が働いているのは、野分クリエイティブ・アドという広告、書籍、ウェブの制作会社。

駒木さんは、取引先のオリエント文具の人。つまり顧客だ。

その駒木さんが退職するという。

せっかく仲良くなったのにと、志保は大きな寂しさに襲われた。

仕事のつながりしかない。別れたらこのままになるのだろうか。

いまもフェイスブックだけはみている昔からの友人の百合と仲良くなったときと、同じような焦りを感じる志保であった。百合のときは、友達と言う「居場所」がほしかった。今も同じだろうか。

考えた志保は、共通の趣味のある本が映画化された件を使って、土曜日にその映画に駒木さんから誘ってくれるように話を仕向けたが、スルーされてしまった。

志保はどうするのだろうか。

ブータンの歌 阿川佐和子

渡部万里子は、伯父を見舞って病院を出るところで、中学時代の同級生の丹野朋子に呼び止められた。

彼女は昔、ブタのように太っており、存在感もなかったから、声を掛けられても誰だかは、全く分からなかった。あだ名は、ブータン。

万里子のことを、ワタベと呼び捨てにするから気分は悪い。ブータンは、リハビリ室でトレーナーをやっているらしい。

そして、身寄りが無くて自立できない伯父が退院したらどうするかで、親戚で話し合いが持たれた。

万里子は幼い頃、両親が離婚したので、伯父には可愛がってもらった。母の妹の叔母さんはしっかりした銀行員の隆司さんと結婚し、静岡から大阪に引っ越していて、ここからは遠くなっていた。万里子の母も認知症っぽい言動が目立ってきた。

話し合いは、隆司さんが仕切って、伯父を老人病院に入れることになった。母は隆司さんを好きじゃないと言っていたが、彼のおかげで話は進んだのだ。ただ、父同然に可愛がってもらったということで、伯父本人の説得は万里子に任された。

さて、話はブータンに戻る。彼女は伯父のリハビリをしてくれているので、多少うざいが、無視できない。万里子が病院に行く日に、シフトまで合わせてくる。

年に一度、万里子は同級生との六人の小さな同窓会に参加していた。そこでブータンのことを話題にしたとき、自分が忘れていたブータンとの関わりエピソードを聞いてしまった。ある事件で、万里子はブータンをかばったらしい。

同窓会から帰ると、母が怒っている。こんな時間まで連絡してこないとは。まだ10時半だし、朝言ったよね。

とうとう母も認知症なら、万里子は、伯父と母の世話を、仕事を抱えながらやっていかなくてはならないことになる。

ブータンとふたりでカラオケにきた。主に歌うのはブータンで、万里子は、たまに強制的に歌わされた。

ブータンが何か言いかけたが、時間ですよのコールが来て話は聞けなかった。

このあとは、万里子が、入院している伯父と認知症の母、そして同級生だったブータンとどのように関わっていくことになるのかが描かれている。

ラインのふたり 嶋津輝

こちらを参照ください。島津輝さんの短編集のこちらに、「ラインのふたり」について書いてあります。

獣の夜 森絵都

紗弓に泰介から電話が入った。

今夜準備していた美也へのサプライズの計画変更を余儀なくされる事態が発生したようだ。

そのせいで、泰介が美也をサプライズ会場へ誘導できなくなり、代役を依頼してきたのだ。美也は泰介の妻である。夫婦水入らずの食事という設定が早くも崩れた。

もともと、泰介は紗弓と付き合ってたのに、よりエロスを醸し出す美也と結婚した。

三人は同じサークルで、今日の美也の35歳の誕生日サプライズには、サークルの仲間が待機しているというわけである。

ところが、である。昔から我がままな美也は、迎えに来た紗弓に、今日は肉をがっつり食いたいと譲らない。絶体絶命か。

なんとか折り合いを付けて、まずは焼肉屋へ。

電車を乗り継いで、美也の棲む街の駅で降りて、どうしても行きたいという焼肉屋へ向かうが、その途中で地元のジビエ・フェスタに遭遇してしまった!

ここから、紗弓と美也の逆転のサプライズが始まる!

拙評・感想

タイトルのとおり、女ともだち同士の関係性が描かれていて、男のわたしには面白かったし、女性が読んだら、そうそう!と言える状況がたくさんあって、読むとかなりスッキリするのではないだろうか。

最初の「COPY」の結末は、ちょっと意外で怖い感じもあり楽しい、二つ目の「ト・モ・ダ・チは、こんな勘違い女子もいるんだろうなと思い、三つめの「卵の殻」は、母親が自分の子を友だち化したいという、よくある話しでオチは読んでのお楽しみ、四つ目の「水底の星」は、主人公の人事異動に影響する、小学生のころの水泳教室での苦い思い出の真実のお話、五つ目の「こっちを向いて。」は、仕事での仲良しの顧客の転職によって、主人公の思いと相手の顧客の思いのズレの悲哀を感じさせられる

『一度仕事で繋がっちゃったから、友達に軌道修正していくのが難しいんだよ』 と志保は、後輩に言う。

六つ目の「ブータンの歌」は、親戚や親の介護という不本意な状況におかれた主人公に、さらにむかしの、そしてあまり印象に残っていない同級生が絡んでくるという泣きっ面にハチのような状況を描いて、自分の状況とも重ねて人生を考えたが、主人公の万里子の心のつぶやきにもなるほどと思う。

万里子は思った。「今、自分が置かれている境遇に似た人と仲良くなる。女がともだちを作るときの条件は、基本的にそこにある。」女ともだちはそうやって、刻々と移ろってゆくものなのである。

七つ目の「ラインのふたり」は、工場で若い女性上司のもとで働く二人の年配女性のよくある風景や上司への反撃があったりしてリアリティがあった。最後の「獣の夜」は、欲求不満?の女性の旺盛な肉への執着が描かれ、ひやひやする設定と酒が入った女性の開き直りの迫力で、私はこれが一番好きだ。

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この記事を書いた人

ソフトウェア会社サラリーマン。書店や図書館で見つけた本の読書録を残したいと考えブログに書いています。ミステリー、時代小説、資格維持のための教養本などジャンルを問わずに読んでいます。読書録に加えてちょっとしたアイデアなども書けたらと思います。

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