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結婚させる家 桂望実 the marriage house 結婚情報サービス会社のレジェンド相談員が自分の人生を振り返りながら他人の幸せのために提案する。

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目次

はじめに

独身だと信頼されないから、ほんとうは独身なのに指輪をして既婚者を装う結婚情報サービス会社のカリスマ相談員の桐生恭子さんは52歳。
会員に発破をかけて、成婚率のトップを走っていたが、あるとき、あなたがゴールインさせたカップルの破局が多いと知らされショックを受ける。
それから、その人の人生や嗜好などを聞いてからカップリングの提案をするようになった。

第1章

桐生恭子 52歳 この小説の主人公、35歳からブルーパール結婚情報サービス勤務 有罪判決で服役した過去を持つ。
恭子さんは、社長の青木浩子62歳に気に入られ、ブルーパール結婚情報サービスで働く。

そしてカップリングした二人がより早く結論を出せるようにと、家族を含めた二組に、豪邸での6~7日の体験宿泊を企画した。お互いのことをもっとよく知れば、真剣交際するか、別の人を捜してもらうか、より早く結論が出て効率的だと考えたのである。

初回の宿泊体験者は、
吉村梨佳 51歳 個人病院の受付 妹の藤森直美と夫の明弘、娘の千春
交際相手の細田泰彦53歳バツイチ塾講師、母よう子、息子勇介

結婚情報サービスに勤務する桐生恭子さんが、いろんな事情を抱える男女を真剣交際に発展するまでの日常と、男女の過去や親せきなどの関係も含めて心を通わせていく過程を描く。
最初の二人は、バツイチで、説明がくどい塾講師53歳と、飲んだくれの夫と別れた51歳の女性の話。幸せになろうとする女性の離婚の原因となった元夫が障害事件を起こす。

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第2章

お次の宿泊体験者は
女性は52歳、旦那は娘が一歳の時に死亡、最近娘が結婚して寂しくなった。
男性は53歳、子育てがしてみたいので三十代の女性を希望。そんな都合のいい話があるか!と思ったが、事情はこうだ。
前の奥さんとの子どもは、彼だけが一生懸命に育てた。奥さんからは、仕事が遅いとか料理がまずいとか罵倒されても子育てを頑張ったが、離婚裁判ではそんな妻のほうが親権を勝ち取ったのである。男性は子供のことが心配で、いままで再婚できなかったと言う。だから子どもがほしいらしい。

恭子さんは、この二人をゴールインさせられるのか!
交際が進んだある日、調査会社からの封筒が届いた。青年になった息子の嫁が妊娠したという。孫ができる!

第3章

松永史子、三年前に恭子が担当して真剣交際に発展したのだが、破局したという。
演じて惚れさせても、素が出て、それが気に入らなかったらダメですよね。
こうした話が多くなって、恭子さんも強引にカップリングすることに疑問を感じ始めた。

今回の宿泊体験者は、
菰田純子さん50歳と叔父の坂口秀至(ひでゆき)さん
山本幸広さん54歳、バツイチ、大学教授、感謝の言葉も言わないのが原因で離婚、裁判までになった。妹の吉岡佐和子さん、兄の満明さんも参加。

親の言いなりになって、男女交際もできずに50歳になってしまった純子さんと自分は好条件の男だと思っている山本さんを、恭子さんはどう導くのか。

第4章

安藤仁さん50歳、妻と死別したばかり、区役所職員、父和彦、母志乃 まさか今回は両親付き! それがいいのか。
金子真帆さん50歳、アパレル店員、バツイチ、子ども二人、孫三人

結婚相談員の難しさが分かる一話。

恭子さんは思う。「それまでその人がどんな人生を過ごしてきたか、なにが好きで、なにが得意な人なのか、そういうことを知ろうとするようになったの。そうじゃないとどういうサポートをしたらいいか、分からないから。人の幸せって一種類じゃないでしょ。人の数だけ形があるから」
それをしないで、真剣交際に発展させて結婚させても、いつかボロが出て、また離婚してしまうのだ。

第5章

恭子さんは、知り合いの草子さんと話している。「会員の婚活をサポートする時、パートナーを見つけて再出発させてあげたいと強く思い過ぎてしまっていて、それが却って会員たちの人生を混乱させてしまっていたんです。」
婚活のサポートも経験を積まないとたいへんそうだ。

さて今回の宿泊体験者は、
土井裕子さん54歳バツ2、読者モデルとブログ、元CA、息子の将之、娘の香奈、トイプードル
長谷敏人さん55歳未婚、情報ビジネス系会社を経営、父の一基、母の弥生

いつも男性にちやほやされてきた女性と、人間性を重視する初婚の経営者。裕子さんの男性に対する譲れない条件は年収二千万円だったが。。。

拙評・感想

独身だと信頼されないから、ほんとうは独身なのに指輪をして既婚者を装う結婚情報サービス会社のカリスマ相談員の桐生恭子さんは52歳。
会員に発破をかけて、成婚率のトップを走っていたが、あるとき、あなたがゴールインされたカップルの破局が多いと知らされショックを受ける。
それから、その人の人生や嗜好などを聞いてからカップリングの提案をするようになった。成婚率は下がっても、破局しないほうが嬉しいと思う。
前科者という人に言えない過去を胸の奥にしまいつつ、人の幸せを応援する仕事の難しさ、楽しさが描かれています。
再婚の婚活をしようかと考えている人たちには、参考になる物語が5つ。私は楽しめました。

桂 望実さんのプロフィール

東京都生まれ。1987年大妻女子大学文学部国文科卒業。同年、靴関連の会社に就職。1995年、退職しフリーライターとなった。2003年、『死日記』で「作家への道!」優秀賞(エクスナレッジ)を受賞し、小説家デビュー。2005年『県庁の星』が映画化され、ベストセラーになる。(ネットの紹介文より)

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